安全な食文化と北海道の写真


微生物の攻防

2013年02月24日 00:58

Bacillus Medusa

先日、乾燥唐辛子のサンプルを細菌検査したところ、標準寒天培地上に写真のような集落が勢いよく形成されていました。
これはB.Medusaという土壌菌の一種です。
見慣れていないとぎょっとしてしまいます。
カビのようにも見えますがカビの菌糸ではありません。
ギリシャ神話の魔物の髪の毛のようなのでMedusaという名前がついているようです。
 
熱や乾燥ににも強く生育も早いので食品に残存すると品質低下の原因になります。
乾燥している土もの乾燥農産品なんかにはよくみかけます。
白あんなどの原料に使われる乾燥の輸入インゲン豆なんかにはこのMedusaはよくひっかかってきます。
とくろでこの平板をよくみてみると、B.Medusaの発育を強く抑制している阻止円帯が出ているのがわかります。
阻止円を作っているのはカビの一種か、他の何かの微生物です。
そしてこの平板の様子は自然環境における微生物の関係を表しています。
微生物もお互いが無制限になんでも増えているのではなく、バランスをとった関係を保ってます。
とても面白い眺めです。

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